パイナップル通信

毎日元気にのびのびと、時々立ち止まって考えるメモ

肩書きのない自分になる準備

もうすぐ二度目の育休から復帰するので、4月から次男が保育園に通い始めました。いわゆる慣らし保育というやつで、保育園に行っているものの12時とか、15時とかに迎えに行かねばなりません。なので仕事は無理なので出産以来久々のひとりの時間を楽しんでいます。

 
そんな時間を利用してポツポツと育児を理由に不義理をしていた仕事で知りあった友人などに連絡をして、ランチをしたりしています。なかには気づいたら10年近く会ってなかった人もいて、色々お互いの近況をキャッチアップしたり。育児でほとんど家族、ママ友、子供以外と話さないのでほぼ私の社会復帰プログラムですね。
 
そういうお年頃なのか、なかには大きく人生の舵を切っている友人もいました。長く勤めた会社を辞めて独立した人や、あらためて畑違いの看護学校に行き始めた人、仕事を辞めて専業主婦になった人など様々ですが、そういう転身を聞くと久々の仕事復帰に超ビビっている自分がはげまされ、その人達の新しい日々の広がりを応援したくなります。
 
そのなかで仕事を辞めた友人が、挨拶するときに「肩書きがなくて、なんか居心地悪い」みたいなことを言っていたのが印象的でした。電話をかけても「山田です。」だけだとどこの山田さん?ってなっちゃうし、なんだか困ると。なるほどー、と思いました。
 
私は学校を卒業してから一応切れ目なく何処かの組織に所属して働いています。つまり「○○(会社名)のかのかのこです」という自己紹介な訳です。でももし今仕事を辞めたら「(空白)かのかのこです」です。誰ですかってかんじですよね、確かに。育休中はそんな感じでした。育児サークルとかでは「○○区のかのかのこです」とか住所をつけてましたね。
 
一時的とはいえ育児休暇で肩書きをなくして思い出したのは新入社員だったころの部長さんです。その部長はなんだか怪しい風貌で、部長連のなかでもちょっと異質な雰囲気を醸し出していた長髪のおじさんだったのですが、入社してしばらくして何かの拍子にアドバイスをくれました。「おまえ、挨拶するだろ、そのときみんな名刺みるだろ。その人、お前のその名刺の肩書きなしでお前と仕事してくれるか?一回仕事したら、(会社名)のお前じゃなくてお前自身と仕事したい、会社や肩書きなんて関係ないって言う関係を作らないとやってる意味ないんだよ、わかるか?」
 
そのときは、そんなの無理だよこの新人のぺーぺーにさ…って思いましたけど、頭の片隅には残っていて、ずっと仕事をしてきた上での基礎になっています。その後会社名はいろいろ変わったけれど、どの職場でもああこの人は次回名指してで私と仕事をしてくれるかな、と考えて仕事してます。結婚してからも転職したので新しい名字に変えるチャンスもあったけれど、仕事名を旧姓のまま残している理由の一つでもあります。
 
育休中に名乗る名前としてはもうひとつ「かのかの太の母です」ですね。母というロールで自分の名前よりも肩書きだけを語るという。今はわりと「かのかの太の母のかのこです」のようにお母さんの名前をセットで語る場面が多いですけどね。
 
仕事でも母ロールでも、いつかはこの肩書きはなくなるんだ、そしてそうなったときにもわたしと仕事がしたいと思ってくれる、友達としてつきあってくれる、そういう関係が増えていくといいなと思っています。
 
この部長さんは他にもうひとついいアドバイスをくれたのですが、それはまた今度。